日本マクドナルドの戦略

営業利益で6年連続、既存店売上高で8年連続のプラスの好業績を維持している、日本マクドナルドの原田社長の記事が非常に興味深かったです。
かつて平成7年に、ハンバーガーを210円から130円に値下げして平成10年以降も期間限定の「バーガー半額65円」キャンペーンで売上高は続伸。
ただ、値引き効果の限界を感じ始めた日本マクドナルドは平成14年に値引きの終了を宣言。
価格の値上げに踏み切る。

この経営判断自体は正しかったのだが、消費者には「マクドナルドのハンバーガーは65円の価値」でしかなかったため、値上げ後の売上高は2割も落ちる。
マクドナルドの経営は、客足が伸びない、値上げもできない袋小路に入り、この年に創業以来初の赤字に転落。
翌年も赤字は解消できず藤田社長は会長兼CEOを退任。

平成16年に、アップルコンピュータ社の原田社長を招いて経営改善に乗り出す。
この後、日本マクドナルドの業績をV字回復させた原田社長は、 「日本マクドナルドがデフレ(経済)を主導する必要はなかった。
不況下とはいえ、完璧に間違った経営戦略。
値引きで新たな消費市場は生まれない」 と振り返り、消耗戦と化している現在の低価格競争に警鐘を鳴らしてます。

原田社長は低価格戦略について、 「商品価値を変えずに値段を下げれば、消費者はそれが妥当な価格と思う。
値下げで一時のシェア争いはできても、隣の店から客を奪うにすぎない」と否定する。

原田社長が真っ先に取り組んだのは、「余分なものを切って基本に立ち返る」である。
「企業は経営不振のときほど、別の収益の柱をつくろうと手を広げたがるが逆。
やらないことを決めるのが先」。

原田社長は、日本固有のメニューを廃止、一定の権限を与えていたエリアごとの地区本部を無くし乱立した小型不採算店400店超の大量閉鎖に踏み切る。
この間、コーヒー、シェイク、一部単品バーガーの100円キャンペーンで客足を取り戻す一方、主力のバーガー類は「クォーターパウンダー」や 「ビッグアメリカ」シリーズといった付加価値メニューを投入して増益につなげる。

原田社長は、「独自の価値を常に創造しなければ価格競争に向かうのは当たり前。
日本企業は価格でなく価値で勝つ。
すべての業界、政治のリーダーも、これを徹底しなければ日本は沈没する」と断言しています。

同じ外食産業である牛丼チェーンは、牛丼価格の引き下げ競争で体力を消耗しています。
価格ではなく商品・製品の価値を訴求していくことが最も重要なのだと思います。

投稿者プロフィール

矢作 英樹
矢作 英樹
株式会社アイアンドディー 
カスタマーリレーション部 部長

BtoB企業の新規顧客開拓を支援するリードジェネレーション事業の責任者。