テレセールスにおけるBANTCとは?

shutterstock_124904123マーケティング用語として”BANTC”情報があります。

  • B(Budget) : 予算
  • A(Authority) : 決裁権
  • N(Needs) : ニーズ
  • T(Time frame) : 時期
  • C(Competitor) : 競合

テレセールスでは、”BANTC”情報の聴取を重視しています。それは、案件成約に繋がる見込み案件の判断としてBANTC情報が必要不可欠だからです。
では、テレセールスで獲得する聴取内容とは「B:予算」「A:決裁権」「N:ニーズ」「T:時期」「C:競合」だけで充足しているでしょうか?

「B:予算」「A:決裁権」「N:ニーズ」「T:時期」「C:競合」の聴取だけでは、案件成約に繋がる見込み案件の判断として必要情報を充足しているとは言い切れません。
なぜなら、提案製品によって「A:決裁権」は変動する可能性があり、外部要因によって「B:予算」「T:時期」は変動し、「N:ニーズ」が必ずしも提案製品に該当するニーズではないかも知れないためです。

 では、”BANTC”情報以外に充足するべき必要情報とは、どの様な項目なのでしょうか?

BANTC情報に紐づく5項目情報

案件成約に繋がる見込み案件の判断として、BANTC情報以外に補完する必要情報があります。

  • 企業ポテンシャル情報
  • ”ターゲット部門”(部)業務範囲情報
  • ”ターゲット”(人)主業務範囲情報
  • 検討分野の主管部門情報
  • 検討分野の起因課題情報

これら5項目情報がBANTC情報に紐づいている状態が必要なのです。
では、5項目情報がBANTC情報に紐づいているケースと、紐付いていないケースを説明いたします。

BANTC情報に5項目が紐づいている状態とは?①

企業: 小売業A社
部署/役職: 情報システム部/部長(※ターゲット)
検討分野: 会計パッケージとセキュリティ対策製品の導入に向け情報収集中

上記企業を見込み案件として判断する場合、BANTC情報と5項目情報がどの様に紐づくのか、仮設定してみます。

聴取例①

小売業A社はシステム導入時の最終選定は、”情報システム部”が行い、部長は最終選定権者である。

”会計パッケージ”、”セキュリティ対策製品”は、製品提案を受けている段階ではなく、各社製品の情報収集を行っている

”会計パッケージ”のC/O時期は、○○○○年○○月までを目標としている。セキュリティ対策製品のC/O時期の目標は定めていない

導入検討の予算は来期計上予定であり、各社製品情報から予算規模を決定する予定でいる。

 会計パッケージの提供企業B社の目線からは、小売業A社の情報システム部部長は自社製品の導入を検討するキーマン(A:決裁権)と判断出来るでしょうか?

 では、サーバを提供するC社、データセンター事業を展開するD社の目線からは、小売業A社の情報システム部部長はキーマン(A:決裁権)と判断出来るでしょうか?

また、情報漏えい対策のセキュリティ製品を提供しているE社の目線からはどうでしょうか?E社と同様のセキュリティ製品と会計パッケージも提供しているF社の目線からは、どうでしょうか?

BANTC情報に5項目が紐づいている状態とは?②

5項目情報を更に詳しく追加してみました。
B社、C社、D社、E社、F社の目線はどの様に変わるでしょうか?

聴取例②※追加

”会計パッケージ”の起案(予算申請)部門は経理部門であり、”セキュリティ対策”の検討はネットワーク部門が担当部門である。

情報システム部は、主にサーバなどのインフラ管理、運用を主業務としている。

また、情報システム部とネットワーク部門は、セキュリティ対策やインフラ管理を行う業務上、情報交換を密に行っている。

”会計パッケージ”の導入検討の背景は、”消費税増税の法対応”の必要性から。

但し、経理部門側では、使い慣れたシステムの変更には否定的であり、現行システムの改修での対応を希望している

”セキュリティ対策製品”の導入検討の背景は、昨今の情報漏えい事件の多発から対応を迫られる前に検討を行いたいため。

対応時期は定めていないが、小売業A社では100万件の顧客データを保有しており、ネットワーク部門内で懸念の声が上がっている。

BANTC情報に5項目情報を紐づけてみると、以下のような状態であることがわかります。

  • 企業ポテンシャル情報 … 100万件の顧客データ
  • ”ターゲット部門”(部)業務範囲情報 … インフラ管理・運用
  • ”ターゲット”(人)主業務範囲情報 … システム導入時の最終選定権者
  • 検討分野の主管部門情報 … 会計パッケージ(経理部門)、セキュリティ(ネットワーク部門)
  • 検討分野の起因課題情報 … 会計パッケージ(法対応)、セキュリティ(情報漏えい事件の影響)

聴取例①だけであれば、会計パッケージ製品を提供するB社は、情報システム部 部長をキーマンと判断したかも知れません。
但し、5項目情報まで判明すると、現在の使い慣れたシステムの変更には否定的で現行システムの改修対応を望んでいる経理部門の責任者をキーマンとしてアプローチする必要性が見えてきます。

セキュリティ製品を提供しているE社は、100万件もの大量顧客データを保有する小売業A社は該当製品のターゲット企業であり、セキュリティ対策の主管部門であるネットワーク部門内で情報漏えいリスクを懸念している背景からも、情報システム部 部長をキーマンとして判断することが出来ます。

サーバ提供のC社、データセンター事業のD社は、情報システム部 部長はキーマンと判断することは出来ますが、会計パッケージの導入検討というタイミングに依存する可能性もあり、経理部門の判断、動向を考慮する必要性があります。

セキュリティ製品と会計パッケージも提供しているF社は、セキュリティ製品と会計パッケ-ジのどちらを主眼として提案するべきか見極めが必要になる可能性があります。

このように、BANTC情報のみでは判断できない事柄が、BANTC情報に5項目情報が紐づいている状態まで判明することが出来れば

  • 「どの部門」に
  • 「どの製品」を
  • 「誰をターゲット」として
  • 「どのタイミング」で
  • 「どの位の価格帯」にて

提案を行うべきなのか、がしっかりと見えてきます。

投稿者プロフィール

矢作 英樹
矢作 英樹
株式会社アイアンドディー 
カスタマーリレーション部 部長

BtoB企業の新規顧客開拓を支援するリードジェネレーション事業の責任者。