無知の知
私は、もともと機械工学科を卒業し、IHIの建機部門であるIHI建機に入社したバリバリの
理科系技術者出身である。入社してすぐ、オイルショックが起き、所属していた生産技術課から
1名を営業に出さなくてはならないという全社指令が出た。
技術者からすれば、営業に移動するのは「清水の舞台から飛び降りる」より、決心の要る
衝撃的なことであった。
その為、だれも営業には行きたがらない。そこで課長が自ら「俺が行く」と発言し、他の技術者は
事なきを得た。優秀でやさしい生産技術課長であった。
それから、アフリカに行くため退職し、その後、中近東を走り回り、滞在合計10年、毎日が直感
で、命を左右する出来事から、からくも逃れて来た。現地の刑務所らしきものに入ったのは、
アフリカで1回、サウジの宗教警察の留置所に1回と、一人でそれぞれ数日間、留置されたことが
ある。そもそも、最初3ヶ月住んだサウジのぼろぼろのトイレと冷房なしの倉庫自体、留置所より
酷かった。この経験は、日本人で初めてで最後とは思う。
日本に帰国した時はすでに34歳、直感だけで生きており、論理的思考回路は寸断された状態。
ここから復帰するには、大学や大学院に再度入るしかない。と一大決心、それから10年、学びを
続けた。
お蔭様で若干、論理的な思考回路が復元出来たかもしれない。
しかし、ちょっとしたことで直感で動いてしまう自分が居る。
経営者には必要なのだろうが・・・。まだまだ読書が足りない。
知らないことばかり、読めば読むほど、奈落の底に行くようだ。
でも、人生、残り働けるのが20年としてもx365日=7300日程度しかない。
1日、1日を無駄にせず、出会いを大切に、ご縁を大切に生きて行きたい。
2011年9月12日(月) 福重 広文