【ワンマンと言われる社長】

私は、ほとんどワンマンだと面と向かった言われたことはない。

でも、ワンマンらしい。
ところで、このワンマンという意味はどういう意味なのだろうか?
まず、これを定義せず、
Aは、「うちの社長はワンマン」だ。
Bは、「うちの社長はワンマンじゃない」と言った会話が行われている。
いずれにせよ、日本では「ワンマン」という言葉は、悪い意味で使われる
ケースが多いだろう。
強権、周りの事を聞かない、自分勝手、怒鳴る、好きにやる・・・
これらは、確かに一般的には誉めらる言葉ではない。
  ここで、別な角度から見てみよう。
企業には成長過程がある。
◆一人で社長が起業して、家族で何とか維持している町工場的な初期段階
この段階では、ワンマンも何もない。公私混同もやらないと維持出来ない。
◆次に従業員が増えて20名程度ではどうだろうか?
社長の下に1名か2名のマネジャーか部長が生まれているだろう。
では、この時の社長は、ワンマンで良いのだろうか?
私はYesと考えている。まだ部長やマネジャーが経営にタッチ出来る能力はない。
だから、有無を言わせず社長がすべてのことをやらざる得ない。
すべてのこととは、採用、営業、生産、経理(資金繰り)、開発、経営などのすべてだ。
社長しか出来ない規模だろう。
◆そして、30名を超えて50名程度になったらどうだろう。
複数名の部長や課長が居るようになる。
優秀な部長が居れば、社長はこの部長におのずと意見を聞くようになり、相談
しながら、人事や経営のこともやるだろう。
◆では、100名や200名になったらどうだろうか?
もう、社長から目の届かない社員が出てくる。
そこで、役員や部長などの管理職に社長は権限を委譲しなければならない。
そうしないと組織は回らない。
◆古代中国の孫子の時代を考えてみればわかる。
数千キロ離れた辺境の地に派遣している警備隊、これは隊長に全権委任に近い。
会社も、このように、組織形態に従い、社長の管理や手法はおのずと変わるのである。
企業の成長過程である、成長期あたりまでは「ワンマン」にならざるを得ない。
これが安定期や成熟期になれば、おのずと権限を部下に委任せざる得ないのである。
このように、ワンマンと言う言葉の定義を明確にし、会社の規模などの状況を勘案して
議論しないと、ワンマンと言う言葉だけが一人歩きすることになる。
成長期まではワンマンなのはどこでも同じ、またそうしないと成長しないのである。
戦闘態勢下、小人数で闘う場面を想像してほしい。
どの部隊長が、いちいち、部下の意見を聞いているか?
そんなことをしていたら即死するのである。
2013年8月9日(金) 【3583日】 福重広文
福重 広文
福重 広文

起業家支援財団評議員, 起業家支援財団学生奨学金審査委員