外国製マーケティングオートメーションの限界

マーケティングオートメーションと言う言葉が花盛りだった昨年から、少し様変わりしているのが今日この頃ではないだろうか?

いわゆる、マーケティング用語のイノベータに相当する人々や会社が、大手SIERなどからの紹介で、大金をはたいて導入したのが昨年だったのではないかと思う。

今年は、国内勢も加わり、費用対効果を意識したMAの検討に変わって来たと思う。

私たちは、BtoBマーケティングの会社であり、一応マーケティングのプロとして、各種支援をしてきた。

その支援活動の履歴を保存し、有効活用するマーケティングツールの開発とコンサルティングを実施してきた。

その中で、海外製のマーケティングツールの限界が見えて来たので、お知らせしたい。

まず、マーケティングオートメーションの大きな要素は、Webとメールをベースにしていることである。

と言うことは、効果的なWebの作成、キーワードなどのSEO対策、そして、シナリ作成するライティングの技術、メール文面やホワイトペーパーダウンロードなどの継続した作成、PDCAを回すことなど、相当難易度が高い業務が新たに発生する。

これらは、ほとんどの大手製造業などには居ない人材であり、外部の協力を得ず、運用することは不可能である。

と言う事で、マーケティングがオートメーションで出来るということは、100%あり得ない。むしろ、今まで独立自営業者が多かったWebマーケティング分野のプロフェッショナルの出番なのである。

そして、忘れがちなのが、MAで集めたリードをどう利用するのか?
ここが明確でなければ、絵に書いた餅なのである。

どういうことか?と言うと、MAを利用して売上が上がらなければ、意味がないということである。

Webアクセスしてきている人を眺めているだけでは、何もならない。

そこで、アクセスした人にシナリオに従いメールを配信することになるが、あなたがアクセスしメールを受け取る立場だと、どうするか考えてもらいたい。

私も含め、日本ではメールは余り見ないという現実が存在する。メールを見てURLをクリックしなければ、そこでストップとなる。

これが海外版MAの限界である。

では、この限界を乗り越えるには、どうしたら良いか?
それは、人間の目と手と足を加えた従来のマーケティング活動である。

例えば、電話やセミナー、展示会、営業活動をうまく連携することである。

 

私は、ダイレクトマーケティング業界に約35年間いる。

その経験をもとに、米国と日本の個人情報に関する法律の違いと、それを基にしたマーケティングオートメーションの考え方について述べてみたい。

まず、個人情報に関する法律は下記の通りとなっている。

1)日本
2003年(平成15年)5月23日に個人情報保護法が成立し、個人情報を勝手に売買は出来ない。
違反企業や個人には、罰則規定があり刑事罰となる。
以前は、名簿図書館という企業や、卒業名簿の売買などは自由であった。

また、個人情報保護をきちんと遵守しているかどうか2年に一度査定する第三者機関があり、守っている証明の例がプライバシーマークになる。

2)米国
Save Harvour原則

基本的に、個人情報の売買は自由である。
個人情報御遵守に関しては、個々の企業が宣言するだけとなっている。

例えば、メールアドレスが判れば、どこに勤務しているか、役職は何か、自宅はどこか?など、かなりの個人情報が公然と売買される。

以上の個人情報保護に関する、法律や制度の相違から来るマーケティングオートメーションの課題を述べる。

1)日本でのMA
メールアドレスや個人名など個人情報を特定する項目を自由に取得し利用することは、出来ない。事前に許諾が必須となる。

従い、Webでアクセスしてきている第三者の個人の個人情報収集と利用は不可能である。

唯一可能なことは、DBに保有する個人が、メールなどをクリックしクッキーを残し、再度、自社Webにアクセスした時にのみ個人の特定が可能となる。

2)米国製MA
米国製MAは米国内の企業向けが中心のMAであり、個人情報は自由に取得・利用出来る。

例えば、何らかの方法でメールアドレスを取得すれば、たちまちFace BookやLinked Inなどから、職業や勤務先、電話番号、自宅など個人情報を簡単に取得できる。

これら、メールとWebを利用して、シナリオに基づき、自動的に誘導メールを送付することで、購買段階を高めて行くことが可能となる。

ここがMAの味噌の部分であるが、残念ながら、日本では個人情報保護の関連で役に立たないことになる。

3)よって、日本企業は、メールやWebのアクセス履歴はあくまでもマーケティング全体の一機能と認識し、従来の展示会、セミナー、インサイドセールス、営業活動を重要視する必要がある。

その為には、そのような機能が備わっているマーケティングツールを選択することが重要である。

 

福重 広文
福重 広文

起業家支援財団評議員, 起業家支援財団学生奨学金審査委員